2015/12/27

AppStore版DaVinci Resolve 12 Studioにご注意



はい、おひさーしぶりです。


といういつものご挨拶ですね。さて、ここのところ、話題持ちきりのAppStore版DaVinci Resolve 12 Studio。

当初は日本法人も事実を知らず、海賊版じゃね?なんて噂もありましたが、正真正銘のBlackmagicDesign製のDaVInci Resolveのようです(笑)

ぱっと見、今までの有償版の半額という値段に魅せられてしまうかもしれませんが、田巻は登場直後から違和感を拭えませんでした。

安いじゃん?なんでダメなの?と思いの方も多いかと思います。
でも田巻には、なぜこの時期に、こんな仕様でAppStore版なのかがよくわからないのです。

まず、結論から先に書かせていただきます。
AppStore版買うなら、無償のResolve12か、ドングル版が同梱されるカメラを買おうw
ということで、以下に、現状のResolveのSKU?種別と大きな違いをまとめ、
考察をつらつらと。




ということで、田巻的にポイントの部分を比較して表にまとめました。
赤字にしたのは並べて弱いなって思うところ。

まず、DaVinci resolveは大まかに分けて4種類の製品で展開です。
無償版である、DaVinci Resolve 12。
USB接続のドングルで起動する、DaVinci Resolve 12 Studio。
で、純正のコントロールサーフェス、Advanced Panelに付属のDaVinci Resolve 12 Studio。

そして、今回リリースとなったAppStore版 DaVinci Resolve 12 Studio。

やはり、大きく注目を集めるのが、その値段でしょうね。
税込表記のAppStoreで、2015.12.27現在で58,800円。
ドングル版の半額以下ですね。

お、って飛びつきたくなるのはわかりますが、ちょっと待って!

ということで、それよりも安いのは、無償版のResolve 12になります。
さて、じゃぁ、どれぐらい差があるのでしょうか。

解像度制限はUHDまでのResolve 12と無制限のAppStore版 Resolve 12 Studio.
AppStore版のほうがいいですね。
で、あと勝てるのはノイズリダクションの有無。
ノイズリダクション。


使う?

はい、Version 7からのResolveユーザの田巻ですが、
ノイズリダクションに関しては、ドングル版を使っていますが、全く使いません。
これはちょっとメーカーさんに怒られるかもですが、敢えて書きます。

Resolve純正のノイズリダクションは、使い物になりません。
全体的にフォーカスが甘くなるだけで、おい!って感じです。
田巻は、ドングル版を使っていますが、OpenFXのプラグインであるNeatVideoを購入して使っています。

OpenFX?

はい、ここで無償版とAppStore版を比較してみましょう。
無償版はOpenFXを使えて、AppStore版はNG。
無償版と250ドルのプラグインの組み合わせの方が、6万円弱のアプリの機能より使えるんです。
むむむ。

次に、コントロールサーフェスを見てみましょう。
無償版は純正パネルのみNG。
AppStore版は、純正のパネルと、AVIDのArtist ColorがNG。
ここらへんは金額戦略と、ドライバーがBMD製でない、Artist Colorはドライバ自体の開発を制御できずAppStoreの規約に抵触してしまう、と推察します。
現状、iPadアプリを除き、いちばんお安く手に入る、AVIDのパネルが使えないというのは痛い。

はい、最後に、データベースサーバ。
これは無償版、AppStore版ともにNGです。
これどういう機能かというと、通常、Resolve 12は、「ディスクデータベース」というXMLベースの形式でプロジェクトを保存しています。

ですが、もともとのResolveは(Ver9くらいまでかな)デフォルトがPostgreSQLというデータベースを使う形のものでした。
現行のResolve 12 Studioでもデータベースマネージャの設定で、このPostgreSQLのデータベースに切り替えることができます。

データベースに詳しい方であれば分かるかと思いますが、このPostgreSQLを用いることで、データベースを別のマシンに置くこともできます。

実際、田巻は、社内でMacMiniにこのデータベースサーバの機能をわりあて、複数台のMacProから接続してます。
こうすることによって、どのマシンでも同じプロジェクトを開けるだけでなく、共有ストレージ、もしくは全く同じ内容のHDDを用意できれば、コラボレーションワークローという複数人での同時作業や、
Resolve12.1の新機能である、リモートレンダリングなどが使えるようになります。
小規模のスタジオであっても2台以上のMacが同時にしかも、協調して使えるというのは大変魅力的なのです。

また、ドングルはUSB接続でMac/Win共用です。
つまり、1度買えば複数台のマシンにインストールしても、ドングルの移動でマシンを移動できます。上記のネットワーク越しの機能を使うには、使うマシン分のドングルが必要ですので、同時稼働台数分のドングル版を購入するか、BMCCなどドングル付きのカメラを購入する必要はあります。

ですが、AppStore版を購入したからといって、ドングル版が割引になるということはないそうですので、AppStore版を購入してからドングル版を購入すると、AppStore版まるまる無駄になります。(お金返しテーーーってトラブル起きそう)

はい、というところまで考察しますと、現状、AppStore版特有の制限が緩和されないかぎりという注釈付きですが、

1台で使う場合は、無償版+OpenFXプラグイン
複数台で使い場合は、ドングル版 Resolve 12 Studio

が、いいんじゃないかなーって思います。
あくまで、田巻個人の見解なので、BMDさんに問い合わせても答えは違うと思いますが
ご参考になればと思います。

2 件のコメント:

  1. 素晴らしい記事ですね。AppStore版てなんなの?人に尋ねられた時にどれを勧めたらいいの? …が、すべてよ〜くわかりました(笑)。ありがとうございます。(^_^)v

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    1. あにきー。
      そうなんすよ。今回の件は当初情報全くなくてびっくりだったんですが、EuCon及びネットワークがらみ、とOpenFXの仕様の問題でやっぱなんかちゃうなーと。

      カメラ買う、が一番お得。ってのが、戦略なのかなーとw

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